『魔術師クノンは見えている』——盲目の天才が“心”を動かす学園ファンタジー

「盲目」というハンデは、物語の中でしばしば“守られる理由”になりがちだ。けれど本作のクノンは違う。見えないからこそ、見えている。言葉の端、魔力の揺らぎ、相手の沈黙の意味——目に頼らずに世界を捉え、魔術で人の心を突き動かしていく。静かに熱いタイプの学園ファンタジーだ。

水属性の上級クラスへ飛び入り参加を終えたクノンは、次の関心を“未知の火属性”へ向ける。強くなったから次へ、ではなく、知らないものを知りたいという純粋な好奇心が原動力になっているのが気持ちいい。成長の速さに驚きつつ、「次は何を見せる?」という期待でページをめくれる。

そんな彼の前に現れるのが、硬派女子イルヒ。昼食に誘われ、流されるままについていった先に待っていたのは——教員たちが一目置くほど名を轟かせる“狂乱王子”。学園の権力構造や噂の温度感が一瞬で立ち上がり、クノンの世界が一段広がる。しかも相手は帝国の皇子。肩書きだけで場がざわつくのに、クノンはひるまない。盲目の少年が、肩書きより実験と探究心で相手を見ているからだ。

意外にも意気投合し、ひょんなことから共同実験へ。ここから先は“魔術バトル”ではなく、“魔術の会話”が面白くなる。どの属性をどう組み合わせ、何を検証し、何を捨てるのか。理屈が積み上がった先で結果が出た瞬間の快感がある。派手さよりも、積み上げで刺すタイプ。だからこそ、読むほどに中毒性が増していく。

さらに良いのは、クノンの“盲目”がドラマを飾る記号ではなく、思考と選択の芯として機能していること。見えないから焦らない、見えないから相手の言葉を拾う、見えないから魔術の現象を手触りで理解する。彼の強さは感覚と学習の積み重ねで、読者は納得しながら置いていかれる。天才なのに嫌味がないのは、この誠実さがあるからだ。

イルヒもまた、ただのツン系では終わらない。硬派で真面目で、だからこそクノンの自由さに振り回される。狂乱王子は危ういカリスマで、理屈が通じるからこそ怖い。三者が同じテーブルで実験する場面は、戦闘より緊張感がある。「魔術の才能」は、しばしば人間関係の爆弾になるからだ。学園という閉じた舞台で、才能と立場がどう噛み合い、どう軋むのか——この先が気になって止まらなくなる。

ここで“火属性”への思いが物語に効いてくる。水が整える力だとしたら、火は変える力。クノンが未知へ手を伸ばすほど、周囲の価値観や関係性も焼き直されていく。教員が一目置く狂乱王子と組むことで、学園内の視線も一斉に集まる。称賛、嫉妬、警戒、利用——才能は拍手だけでは迎えられない。だからこそ、共同実験の一歩一歩がスリリングだ。

読みどころは“結果”より“過程”。実験の仮説を立てる会話、失敗を切り分ける冷静さ、相手の一言に心が動く瞬間。盲目のクノンが誰よりも的確に他人の温度を掴むから、キャラ同士の距離が伸び縮みするたびに気持ちよく驚かされる。静かに燃えるタイプの作品が好きなら、ここで刺さる。

刺さるのは、次のどれかに当てはまる人だ。
・天才主人公でも、努力と観察で勝つ物語が好き
・学園の人間関係と“実験”が絡む展開に弱い
・強キャラ同士が理屈で噛み合う瞬間がたまらない
・派手な俺TUEEEより、静かな底知れなさが好き

気になったなら、いきなり買うより先に“空気”を確かめるのが一番早い。そこで便利なのが、DMMブックスのオンライン閲覧。作品ページからそのまま試し読みできるので、冒頭のテンポ、会話のノリ、クノンの思考の鋭さが自分に合うかを数分で判断できる。刺さったらそのまま続きを読む、合わなければ無料で撤退。迷う時間を削れるのが強い。

DMMブックス
AD

読み方は簡単。
①DMMブックスで『魔術師クノンは見えている』を検索
②作品ページで「試し読み」を開く
③面白いと感じたら、そのままオンラインで続きを読む(スマホでもPCでもOK)
④続きが気になるなら、マイリストに入れて迷子にならない

ついでに、DMMブックスはセールやクーポンのタイミングが多く、気に入ったシリーズをまとめて追いやすい。読了後に次巻へ戻れる導線も分かりやすいので、連続で読むほど快適さが出る。火を知るほど水も深くなる。そんな逆説が気持ちいい。読み終えたら、火属性の先が待っている。次の一章が、火の色で始まる。

だから最後にもう一度。まずはDMMブックスで試し読みして、合うと感じたらそのままオンラインで読み進めてほしい。ページを閉じる理由がなくなった時点で、あなたの“次に読むべき一冊”は決まっている。

上部へスクロール